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高血圧症の診断・治療

診断

 高血圧症とは、血管の中を流れる血液の圧力が強くなり続けている状態です。進行すると血管壁の弾力性やしなやかさが失われ、また血管壁に傷が生じて、その傷に悪玉コレステロールなどが沈着すると動脈硬化が促進されます。

 高血圧症の診断基準によると、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。一方でメタボリックシンドロームの診断基準による血圧の項目は、収縮期血圧が130mmHg以上拡張期血圧が85mmHg以上となっておりります。

 日本人の高血圧の最大の原因は、塩分のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒・運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。また、睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。

 そして高血圧が進んで動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞・心不全などに進んでいく怖れもあります。また脳では、脳梗塞脳出血を引き起こします。日本人では高血圧から脳梗塞や脳出血にかかる人が、欧米人に比べて格段に多くなっています。

予防・治療

 高血圧症の予防に欠かせないのは、塩分摂取量の制限です。1日の塩分摂取量は7~10g程度が目安であるため、薄味にして、醤油・ソースなどの調味料は極力控えることです。漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで10g近い塩分をとってしまいます。

 高血圧は自覚症状がほとんどなく自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また家庭用血圧計を購入し、自宅で毎朝測ることもお勧めします。

 生活習慣の改善で血圧が下がらない場合、薬物治療を行います。薬物治療では、降圧薬と呼ばれる血圧を下げる薬を用います。複数の降圧薬を時に組み合わせて使うことで、目標血圧を達成します。

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